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作業時間(積み卸し時間)込みのルート最適化とは?現場で破綻しない配車計画の作り方

作業時間(積み卸し時間)込みのルート最適化とは、配送先間の移動時間だけでなく、各訪問先での積み込み・荷卸し・荷待ち・付帯作業にかかる時間まで含めて配送ルートと訪問順序を計算する考え方です。移動時間だけを最小化した計画は、現場の作業時間が加わった途端に時間指定や労働時間の制約を守れなくなり、計画として破綻します。配送先ごとの作業時間を見積もって計画に織り込むことが、現場で本当に使える配車計画の出発点です。

なぜ「移動時間だけの最適化」は現場で破綻するのか

地図上の最短ルートを描くだけなら、無料のルート検索でもある程度はできます。それでも多くの配車担当者が「システムの計画どおりに走れない」と感じるのは、配送業務の所要時間の中で、移動以外の時間が占める割合が想像以上に大きいからです。

配送1件あたりの時間は「移動+作業」でできている

1つの配送先での滞在時間には、次のような要素が含まれます。

  • 構内への進入・接車・出庫
  • 積み込み・荷卸し(手積み・手卸しか、フォークリフトかで大きく変わる)
  • 検品・伝票処理・受領印の取得
  • 荷待ち(先方の受け入れ態勢が整うまでの待機)
  • 付帯作業(棚入れ、回収物の引き取り、容器の交換など)

たとえば移動が15分でも、荷卸しと検品に30分かかる配送先であれば、その1件の実質的な所要時間は45分です。これを「15分」として計画すれば、2件目以降の到着予定はすべて後ろにずれ、午後の時間指定は守れなくなります。

ずれは累積し、しわ寄せはドライバーに行く

作業時間を無視した計画のずれは、1件ごとに積み重なります。10件まわるルートで1件あたり10分ずつ見積もりが甘ければ、最終便では100分の遅れです。その結果、

  • 時間指定への遅延と荷主からのクレーム
  • 休憩を削って帳尻を合わせるドライバーの無理
  • 想定外の残業と労働時間の上限超過リスク

という形で現場に跳ね返ります。とくにドライバーの時間外労働に上限規制が適用されて以降、「計画上は収まっているが実際は収まらない」配車は、コンプライアンス上も放置できない問題になっています。この点は物流2024年問題に対応する配車計画の作り方でも詳しく解説しています。

作業時間のばらつきが大きい業態ほど深刻

宅配のように1件あたりの作業が短く均質な業態よりも、次のような業態で問題は深刻です。

  • 廃棄物や使用済み製品の回収など、現地での作業量が行ってみないと読みにくい静脈物流
  • 鋼材・建材など、荷卸しにクレーンやフォークの順番待ちが発生する重量物配送
  • 集荷と配達が同じルートに混在し、積み替えの段取りが発生する巡回配送

こうした業態では、作業時間を考慮できない配車システムを入れても「結局ベテランの勘で直す」ことになりがちです。

作業時間込みの配車計画を作る手順

作業時間を織り込んだ計画づくりは、特別なシステムがなくても考え方として実践できます。手順は次の5ステップです。

ステップやることポイント
1. 作業時間の実績を集める配送先ごとに到着〜出発の実時間を記録するデジタコやドライバーへのヒアリングでよい。まず主要先だけでも始める
2. 配送先ごとの標準作業時間を決める「A社は40分、B社は15分」のように先別に設定する平均ではなくやや余裕を持たせた値にする。荷待ちが常態化している先は別枠で計上
3. 制約条件を整理する時間指定、車格・積載量、ドライバーの稼働時間と休憩「守れないと事故・違反になる制約」と「できれば守りたい条件」を分ける
4. 移動時間+作業時間で計画を組む各件の所要時間を合算してルートと順序を決める1日の合計が稼働時間の上限に収まるかを必ず確認する
5. 実績と比べて見積もりを補正する計画と実走のずれを定期的に振り返るずれの大きい配送先の標準時間を更新し、精度を上げていく

Excel運用の限界も知っておく

このステップはExcelでも回せますが、配送先が増えると「作業時間を加味した順序の組み替え」を人手で計算するのは現実的でなくなります。20件×3台程度でも、時間指定と作業時間と稼働上限を同時に満たす組み合わせを手作業で探すのは相当な負担です。Excel中心の運用から自動化へ移る道筋はExcelの配送リストから配車表を自動で作る方法で整理しています。

また、配車システムを選ぶ際は「配送先ごとに作業時間(滞在時間)を設定できるか」「集荷と配達の混在に対応しているか」を必ず確認してください。移動時間の最適化しかできないツールでは、ここまで述べた問題は解決しません。

到着時刻の計算例:移動が40分でも業務は90分

次は考え方を確認するための仮の例です。特定サービスの画面や処理結果ではありません。9:00に出発し、A社へ20分移動、A社で30分作業、B社へ20分移動、B社で20分作業するものとします。

訪問先移動時間作業時間作業込みの到着→出発作業を0分とした到着→出発
A社20分30分9:20→9:509:20→9:20
B社20分20分10:10→10:309:40→9:40

B社の受け入れ条件が「10:00までに到着」なら、作業を無視した計画では間に合うように見えても、作業込みでは10分遅れます。必要なのは単に余裕時間を足すことではなく、出発時刻、担当車両、訪問順や先方の受け入れ時間を再検討することです。帰庫、休憩、渋滞の時間はこの例に含めていないため、実務では別に加えます。

導入前に準備するデータと設定方式の確認

作業時間を扱うシステムを比較するときは、「考慮できる」という説明に加えて、どの単位で登録・計算するかを確認します。

準備する情報記録例デモで確認すること
訪問先と作業の種類A社・荷降ろし、B社・回収集荷と配達の作業時間を分けられるか
到着から出発までの時間通常30分、混雑時45分配送先別の時間や余裕をどう登録するか
荷量と荷姿500kg、パレット2枚固定時間と荷量に応じた算定のどちらを使うか
受け入れ時間9:30〜10:00に到着到着条件か作業完了条件かを区別できるか
車両・運行の条件積載上限、帰着時刻、休憩同時に条件を満たせない場合の表示と修正方法

これは導入相談のための整理表であり、そのまま取り込める共通CSV仕様ではありません。列名、必須項目、時間の単位、空欄の扱いは各サービスの取り込み仕様で確認してください。荷待ちを標準時間に含める場合、別項目でも加算して二重計上しないようにします。

実際の1日分を使い、現行計画と同じ配送件数・荷量・時間指定で試算してください。比較するのは計算にかかった時間だけでなく、到着条件の違反、帰着時刻、現場での修正量、実走との差です。サービスの選定は小規模運送会社向けの比較・デモ確認手順、データ整備はExcelリストからの移行手順で確認できます。

よくある質問

荷量から作業時間を自動計算する方式と、配送先別の固定時間は同じですか?

異なります。配送先別の固定時間は「A社は30分」のように設定し、荷量からの算定は重量や個数などに応じて時間を変えます。手卸しとパレット卸しでは同じ重量でも所要時間が違うため、自社の荷姿や設備に合う方式を確認してください。Hi-SIAの公開発表で確認できるのは積み卸し時間を考慮することです。荷量比例の自動算定、設定単位や例外処理は、実データを使ったデモで確認してください。

作業時間は配送先ごとに変えられないと意味がないのですか?

全件一律の「1件あたり◯分」でも、何も見込まないよりは大きく改善します。ただし、手卸し30分の先とパレット卸し5分の先を同じ時間で扱うと、ルート全体ではやはりずれが累積します。まずは一律値で始め、滞在時間が長い・ばらつきが大きい配送先から順に個別の値を設定していくのが現実的です。

荷待ち時間はどう見積もればよいですか?

荷待ちは自社で制御しにくいため、過去実績から「その配送先で通常発生する待ち時間」を標準作業時間に含めて見積もるのが基本です。あわせて、荷待ちが慢性的に長い荷主には到着時間帯の調整やバース予約の相談を行い、待ち時間そのものを減らす働きかけも並行して進めましょう。

回収業務でも同じ考え方が使えますか?

使えます。むしろ回収・引き取りは現地での作業時間が長く変動も大きいため、作業時間込みの計画が最も効果を発揮する業態です。回収特有の論点(積載量の管理、集荷と配達の混在など)は回収・引き取りの配車を自動化する方法と集荷と配達が混在するルートの最適化で詳しく解説しています。

Hi-SIAでの解決

Hi-SIA(ハイシア)とは、ディナレッジ株式会社が提供するトラック配送ルート最適化SaaS。回収・静脈物流など作業時間を伴う特殊な配車に対応する。

ディナレッジ株式会社の2026年8月17日の公式発表では、CSV・Excelのデータ取り込み、時間指定・積載量・積み卸し時間を考慮した複数トラックの配車計画を説明しています。これは提供会社の機能発表であり、第三者の効果検証ではありません。

  • 回収・静脈物流など作業時間を伴う配車に対応し、同一トラックでの集荷後の直接配達(回収と配達が混在する巡回順序の最適化)にも対応
  • 到着時間指定を15分単位で設定でき、1配送先に複数の時間指定も可能。稼働時間・休憩時間・残業の上限時間も細かく設定でき、ドライバーの労働時間を守った計画が組める
  • 配送先データはCSV・Excelから一括アップロードでき、ステップ4の「移動+作業時間での計画作成」に活用できる。初期設定と実データによる確認が必要
  • 異なる条件で計算した複数ルートの比較や、ドラッグ&ドロップでの配送順の手直しが可能で、現場の知見を反映しながら精度を高められる
  • 計画はドライバーアプリと地図で共有され、「到着」「配送完了」のタップが管理画面に即時反映されるため、計画と実績のずれの振り返り(ステップ5)にも役立つ

1配送拠点あたりトラック20台未満の小規模事業者向けです。料金は車両台数・利用範囲に応じた個別見積もりで、計画機能からの段階的な導入も相談できます。デモでは「A社の荷降ろし30分を入れたとき、B社の到着時刻がどう変わるか」のように、この記事の確認項目を自社データで照合してください。所要時間や削減効果は入力条件・業務条件によって異なります。

作業時間で計画が崩れる配車にお悩みでしたら、資料請求はこちら、お問い合わせ・ご相談はこちらからどうぞ。