配送の時間指定を守れる配車計画の作り方|15分単位の指定に対応するには
時間指定を守れる配車計画を作る基本は、「時間指定のある配送先を先に固定し、その間に指定のない配送先を埋める」という順序で組み立てることです。 ただし、指定枠が15分単位など細かくなり、1日に守るべき指定が数十件規模になると、移動時間と作業時間を正確に見積もりながら手作業で並べるのは現実的に困難になります。 時間指定を制約条件として計算できる配車システムを使い、指定遵守と走行距離の短縮を両立させるのが実務的な解決策です。
なぜ時間指定のある配送は配車が難しくなるのか
時間指定のない配送であれば、配車計画は「どう回れば総走行距離が短くなるか」というルートの問題として考えられます。ところが到着時間の指定が入った瞬間に、問題の性質が変わります。距離だけでなく「何時にどこにいるか」という時間の制約を同時に満たす必要が出てくるためです。
時間指定が配車を難しくする3つの構造
1. 最短ルートと時間指定が両立しないことがある
地図上では近い配送先同士でも、指定時間帯が離れていれば連続して回れません。逆に、遠く離れた2件の指定時間が近接していれば、その間を移動できるかどうかがルート全体を決めてしまいます。「距離の最適」と「時間の最適」が一致しないため、単純に近い順に並べる方法では指定を守れなくなります。
2. 1件の遅れが後続のすべてに波及する
時間指定のある配送先が連続している場合、前の配送先で積み卸しに想定以上の時間がかかると、後続の指定時刻に間に合わなくなります。移動時間だけでなく、配送先ごとの作業時間(積み卸し・検品・荷待ちなど)まで含めて見積もらないと、計画は現場で破綻します。作業時間の見積もり方については作業時間(積み卸し時間)込みのルート最適化とは?現場で破綻しない配車計画の作り方で詳しく解説しています。
3. 指定枠が細かくなるほど組み合わせが爆発する
「午前中」「14時〜16時」といった幅のある指定であれば調整の余地がありますが、近年は「10時15分〜10時30分」のような15分単位の指定や、「午前は10時台、午後は15時台」のように1つの配送先に複数の時間指定が付くケースもあります。指定が細かくなるほど、ドライバー何人にどの配送先をどの順で割り当てるかの組み合わせは急激に増え、人間が頭の中で比較できる範囲を超えていきます。
手作業の配車が抱える限界
ベテランの配車担当者は、経験から「この組み合わせなら回れる」という感覚を持っています。しかしこの方法には次の限界があります。
- 指定件数が増えると、確認漏れによる遅延リスクが高まる
- 「守れてはいるが遠回り」なルートになっていても気づけない
- 急な追加・キャンセルが入ると、組み直しに時間がかかる
- ノウハウが担当者個人に蓄積され、その人が休むと配車が止まる
特に最後の属人化の問題は、時間指定対応が高度になるほど深刻になります。詳しくは配車業務の属人化を解消するには?ベテラン依存から脱却する手順をご覧ください。
時間指定を守る配車計画の作り方:5つの手順
時間指定のある配送で、指定遵守と効率を両立させるための手順を整理します。手作業でもシステム利用でも、考え方の骨格は共通です。
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 時間指定情報を一元化する | 配送先ごとの指定時間帯・指定の種類(厳守か目安か)をリスト化する | 電話メモや担当者の記憶に頼らず、配送リストの項目として管理する |
| 2. 指定の「固さ」を分類する | 厳守すべき指定と、多少前後してよい指定を区別する | すべてを厳守扱いにすると計画の自由度がなくなり、効率が大きく落ちる |
| 3. 指定あり配送先を先に固定する | 時間指定のある配送先を時刻順に並べ、ルートの骨格を作る | 指定間の移動時間+作業時間が物理的に成立するかを必ず検算する |
| 4. 指定なし配送先を間に埋める | 骨格の空き時間に、指定のない配送先を距離が短くなるように挿入する | 詰め込みすぎると遅延の余地がなくなる。バッファを残す |
| 5. 余裕時間を検証する | 各指定時刻に対して何分の余裕があるかを確認する | 余裕が数分しかない箇所は、渋滞や作業遅延で破綻する前提で見直す |
手順のなかで特に重要な2点
**指定の「固さ」の分類(手順2)**は、効率を左右する分かれ目です。荷主との取り決め上、本当に厳守が必要な指定と、「だいたいこの時間帯に来てほしい」という目安レベルの指定を同列に扱うと、計画の選択肢が極端に狭まります。指定の意味を荷主ごとに確認し、配送リスト上で区別しておくことが、効率の良い計画の前提になります。
**余裕時間の検証(手順5)**は、計画を「机上の最適」で終わらせないための工程です。地図上の所要時間どおりに走れる日はむしろ少なく、渋滞・荷待ち・天候による遅れは日常的に起こります。指定時刻ギリギリの計画は、1件の遅れで後続すべての指定を落とすリスクを抱えています。
手作業からシステムへの移行を検討すべきサイン
次のような状態であれば、手作業での時間指定対応は限界に近づいています。
- 時間指定のある配送先が1日あたり10件を超えている
- 15分〜30分単位の細かい指定や、1配送先に複数の時間指定があるケースが出てきた
- 配車計画の作成に毎日1時間以上かかっている
- 指定遅れのクレームが月に複数回発生している
配車システムは、時間指定を「制約条件」として計算に組み込み、指定を守ったうえで走行距離が短くなる割り当てを自動で探索します。配車計画の作成時間そのものを短縮する方法は配車計画の作成時間を3分に短縮する方法|AI配車システム活用ガイドで詳しく紹介しています。また、小規模な運送会社がシステムを選ぶ際の観点はトラック20台未満の運送会社のための配車システムの選び方にまとめています。
よくある質問
時間指定の配送先が多い日は、トラックを増やすしかないのでしょうか?
必ずしもそうではありません。まず見直すべきは「指定の固さの分類」と「指定なし配送先の埋め方」です。厳守でない指定まで厳守扱いにしていたり、指定なしの配送先を非効率な位置に挿入していたりすると、実際には回れる量でもトラックが足りないように見えます。配車システムで複数のパターンを計算・比較すると、現有台数で回れる割り当てが見つかることも少なくありません。それでも物理的に成立しない場合に、増車や指定時間の交渉を検討する流れが合理的です。
15分単位の時間指定は、そもそも引き受けるべきでしょうか?
荷主側の事情(荷受け側の人員配置、バース予約など)で細かい指定が必要なケースは実際にあり、対応できること自体が競争力になります。重要なのは、自社の配車能力で「守れる指定」かどうかを引き受ける前に判断できることです。移動時間と作業時間を含めて計画段階で検証できる体制があれば、無理な指定は事前に調整を申し入れられますし、守れる指定は自信を持って引き受けられます。
時間指定を守ることと走行距離の削減は、両立できるのですか?
両立は可能ですが、手作業では難しいのが実情です。時間指定を守ること自体は経験豊富な担当者でもできますが、「指定を守るルートのうち、最も走行距離が短いもの」を選べているかは別問題です。時間制約と距離の両方を同時に評価するには膨大な組み合わせの比較が必要で、ここがコンピュータによる計算が人手に対して優位な部分です。
Hi-SIAでの解決
Hi-SIA(ハイシア)とは、ディナレッジ株式会社が提供するトラック配送ルート最適化SaaS。回収・静脈物流など作業時間を伴う特殊な配車に対応する。
Hi-SIAは、この記事で述べた時間指定対応の課題を次のように解決します。
- 15分単位の到着時間指定に対応:到着時間指定を15分単位で設定でき、1つの配送先に複数の時間指定を付けることも可能です。細かい指定が混在する配送でも、指定を制約条件として配車計画を計算します。
- 約3分で配車計画が完成:配送先情報と荷物の重量を入力するだけで、約3分で配車計画が完成します。配送先データはCSV・Excelファイルから一括アップロードできるため、時間指定情報を含む配送リストをそのまま活かせます。
- 複数パターンの比較:異なる条件で計算した複数のルートを並べて比較できるため、「指定をすべて厳守した場合」と「一部を調整した場合」の違いを確認しながら判断できます。配送時間と走行距離は最大20%の削減が見込めます。
- 現場での微調整と共有:配送先や配送順はドラッグ&ドロップで変更でき、配送順は地図上で色分け表示されます。同じ地図をドライバーアプリでも共有でき、GPS追跡と「到着」「配送完了」のタップ反映により、指定時刻に対する進捗を管理画面から把握できます。
Hi-SIAは1配送拠点あたりトラック20台未満の小規模事業者に特に最適な計算モデルを採用しており、日本全国(離島を除く)でご利用いただけます。最低契約期間は1ヶ月からです。